過入金とは?返金・相殺の対応手順や正しい仕訳例を解説
過入金とは、取引先から振込まれた金額が請求書の金額を上回ってしまう経理トラブルの1つで、放置すると法律上のリスクが生じることもあります。しかし、「どう対応すればよいのか」「仕訳はどう処理するのか」と迷う経理担当者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、過入金の基本的な意味と発生原因、返金・相殺の対応フロー、勘定科目と仕訳例、再発防止のポイントについて解説します。
この記事では、過入金の基本的な意味と発生原因、返金・相殺の対応フロー、勘定科目と仕訳例、再発防止のポイントについて解説します。

過入金とは、請求した金額よりも多く振込まれてしまった状態のこと
過入金とは、取引先から指定口座に振込まれた金額が、自社が発行した請求書の金額を上回っている状態のことです。
日々の入金消込作業(請求データと入金データの照合)において、比較的頻繁に発生する経理トラブルといえます。
過入金分のお金は自社の売上ではなく、法律上「不当利得」に該当するため、たとえ自社にミスがなくても取引先への返還義務が生じます。
知っていながら返金を拒否したり放置したりすると、利息をつけて返還しなければならない可能性や、横領とみなされるリスクがあるため、すみやかに適切な対応をとることが重要です。
日々の入金消込作業(請求データと入金データの照合)において、比較的頻繁に発生する経理トラブルといえます。
過入金分のお金は自社の売上ではなく、法律上「不当利得」に該当するため、たとえ自社にミスがなくても取引先への返還義務が生じます。
知っていながら返金を拒否したり放置したりすると、利息をつけて返還しなければならない可能性や、横領とみなされるリスクがあるため、すみやかに適切な対応をとることが重要です。
預り金と間違えやすい3つの勘定科目との違い
過入金はさまざまな原因で発生しますが、大きく分けると「取引先側のミス」「自社側のミス」「振込手数料の認識違い」の3つに分類できます。ここでは、それぞれの原因について解説します。

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取引先(入金側)による二重振込みや金額の入力ミス
過入金の発生原因として、取引先の担当者がインターネットバンキングなどで振込む際、桁数を間違えたり、別の請求書の金額を誤って入力したりする人為的ミスが挙げられます。また、すでに支払いが完了している請求書に対してもう一度振込んでしまう「二重振込」などもあります。
取引先側のミスであっても、過入金分の返還義務は自社に生じるため、発見次第すみやかに連絡することが大切です。
取引先側のミスであっても、過入金分の返還義務は自社に生じるため、発見次第すみやかに連絡することが大切です。

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自社(請求側)による二重請求や請求書の金額誤り
過入金の発生原因には、自社の経理担当者が誤って同じ請求書を2回送付してしまい、取引先が疑わずに2回とも支払ってしまうケースもあります。
また、システムへの入力ミスや単価の計算ミスにより、本来の正しい請求金額よりも高い金額で請求書を発行してしまった場合も、過入金の原因となります。
また、システムへの入力ミスや単価の計算ミスにより、本来の正しい請求金額よりも高い金額で請求書を発行してしまった場合も、過入金の原因となります。

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振込手数料の負担ルールの認識違い(差引き忘れ)
「振込手数料は支払側(取引先)が負担する」という契約になっているにもかかわらず、取引先が請求金額から手数料を差引かずに全額振込んだ場合、その差額が過入金となります。
反対に、自社負担ルールの際に取引先が気を使って多く振込んできた結果、数百円単位の少額な過入金が発生するケースもあります。
反対に、自社負担ルールの際に取引先が気を使って多く振込んできた結果、数百円単位の少額な過入金が発生するケースもあります。
過入金が発生した際の正しい対応フロー
過入金を発見した際は、放置せずに決められた手順に従って対応することが重要です。ここでは、過入金が発生した際の対応フローを3つのステップに分けて解説します。

1.従業員の給与から源泉所得税や住民税を天引きしたとき
過入金を発見したら、まずは自社の請求データと入金履歴を照らし合わせ、「誰のミスで、いくら多く振込まれたのか」を正確に特定します。
事実が確認でき次第、口頭ではなくメールなどの文面で証拠を残しつつ、すみやかに取引先の担当者へ事実を報告することが重要です。
事実が確認でき次第、口頭ではなくメールなどの文面で証拠を残しつつ、すみやかに取引先の担当者へ事実を報告することが重要です。

2.返金するか、次回の請求金額と相殺するかを合意する
事実確認と報告が完了したら、過剰に振込まれた分の金額を取引先の口座へ直接返金するのか、翌月以降の請求金額から差引く(相殺する)のかを取引先と協議します。
継続的な取引がある場合は、互いに振込手数料の負担を省ける「相殺」を選択するのが実務上は一般的です。いずれの方法をとる場合も、口頭だけでなくメール等で合意内容を書面に残しておくことが、後のトラブル防止につながります。
継続的な取引がある場合は、互いに振込手数料の負担を省ける「相殺」を選択するのが実務上は一般的です。いずれの方法をとる場合も、口頭だけでなくメール等で合意内容を書面に残しておくことが、後のトラブル防止につながります。

3.決定した内容に基づいて返金処理や相殺処理を実行する
取引先との協議で決定した方針に従い、指定された口座への返金手続き、または次回請求書でのマイナス表記(充当)などの処理をすみやかに実行します。
一連の対応が完了した後は、経理システム上で正しい仕訳(記帳処理)を行い、帳簿上の金額と実際の口座残高を一致させる必要があります。
一連の対応が完了した後は、経理システム上で正しい仕訳(記帳処理)を行い、帳簿上の金額と実際の口座残高を一致させる必要があります。
過入金が発生したときの正しい勘定科目と仕訳例
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過入金を一時的に「仮受金」として処理する基本の仕訳
入金を確認した時点では、多く振込まれた原因や今後の対応方針が未定であるため、差額分は一時的な負債勘定である「仮受金」として処理します。
例えば、売掛金10万円に対し11万円の入金があった場合の仕訳は以下のとおりです。
例えば、売掛金10万円に対し11万円の入金があった場合の仕訳は以下のとおりです。
| 借方 | 貸方 | ||
| 普通預金 | 110,000円 | 売掛金 | 100,000円 |
| 仮受金 | 10,000円 | ||
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過入金を次回以降の請求金額から相殺(充当)する場合の仕訳
継続取引があり翌月の請求で相殺する場合、仮受金を「前受金(前もって受取った代金)」という流動負債科目に振替えて管理します。
例えば、仮受金1万円を相殺にあてる場合の仕訳は以下のとおりです。
例えば、仮受金1万円を相殺にあてる場合の仕訳は以下のとおりです。
| 借方 | 貸方 | ||
| 仮受金 | 10,000円 | 前受金 | 10,000円 |
翌月の売上が発生した時点で、前受金を取崩す仕訳を行います。
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差額が少額で、取引先から返金不要と言われた場合(雑収入)
振込手数料の認識違いなどで生じた数十円の過入金に対し、返金手数料の方が高くなるなどの理由で取引先が「返金不要」と合意したケースでは、仮受金を営業外収益である「雑収入」として振替えます。
| 借方 | 貸方 | ||
| 仮受金 | 500円 | 雑収入 | 500円 |
取引先の合意を得た上で処理することが前提となるため、必ずメール等で合意内容を記録しておきましょう。
過入金の発生を防ぎ、経理業務の負担を減らすポイント
過入金は適切に対応することも重要ですが、そもそも発生させないように対策することが、経理業務の負担軽減につながります。ここでは、過入金を防ぐための2つのポイントを解説します。
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請求書に振込手数料の負担区分を明記する
少額の過入金の原因となりやすい「振込手数料の負担者(自社か取引先か)」に対しては、請求書の目立つ位置に負担区分をわかりやすく明記することが有効です。
また、請求書の発行前には金額や明細のダブルチェックを徹底することで、自社起因のミスを最小限に抑えることができます。
また、請求書の発行前には金額や明細のダブルチェックを徹底することで、自社起因のミスを最小限に抑えることができます。
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入金消込システムを導入してヒューマンエラーを防ぐ
目視での照合やExcelへの手入力は、二重請求や見落としなどのヒューマンエラーにつながります。
入金消込を自動化できるシステムを導入し、銀行口座の入金データと請求データを自動で照合・差額検知することで、ミスを大幅に減らし、過入金の早期発見と迅速な対応が可能になります。
入金消込を自動化できるシステムを導入し、銀行口座の入金データと請求データを自動で照合・差額検知することで、ミスを大幅に減らし、過入金の早期発見と迅速な対応が可能になります。
過入金を正しく理解して、経理トラブルをすばやく解決しよう
過入金とは、取引先から振込まれた金額が請求書の金額を上回っている状態のことです。発生した際は放置せず、事実確認と取引先への連絡、返金または相殺の合意、仕訳処理という手順で対応しましょう。
取引先や顧客への返金業務をよりスムーズに行いたい場合は、セブン・ペイメントサービスの「ATM受取」もご活用ください。口座情報が不要で原則24時間365日いつでも現金を送金・受取りできるため、返金対応にかかる手間とコストの削減に役立ちます。
以下から資料をダウンロードいただき、詳細な機能や導入メリットをご確認ください。
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よくある質問
Q:過入金とは何ですか?
A:過入金とは、取引先から指定口座に振込まれた金額が、自社が発行した請求書の金額を上回っている状態のことです。過入金分は法律上「不当利得」に該当するため、たとえ自社にミスがなくても取引先への返還義務が生じます。
Q:過入金が発生した場合、どのように対応すればよいですか?
A:過入金が発生した場合は、まず自社の請求データと入金履歴を照合して事実を確認し、すみやかにメール等で取引先へ報告します。その後、返金するか次回請求で相殺するかを取引先と協議・合意の上、決定した方針に従って処理を実行し、仕訳を行います。
Q:過入金の仕訳はどのように処理しますか?
A:過入金が発生した時点では、差額分を一時的な負債勘定である「仮受金」として処理します。その後、返金する場合は仮受金を消込み、相殺する場合は「前受金」に振替えます。取引先から返金不要と合意を得た少額の差額については、「雑収入」として処理します。
